渡嘉敷漁業協同組合

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海洋危険生物について

  綺麗な海で楽しく遊泳している時に出逢う生物たちは、ときには危険なものも。
沖縄の海で身近に見られる危険な生物について知っておくと緊急事態を避けられます。
どんなものが居るのか、ぜひ一覧に目を通しておきましょう。
このページには、それぞれの生物に対しての被害防止方法や応急処置を記載しています。

  沖縄県内の海洋危険生物による被害は毎年250〜300件ほど報告されています。
夏に発生する被害の多くはハブクラゲによるもので、7、8月に集中しています。
これはハブクラゲが大きくなる時期と、たくさんの人が海水浴へ行く時期が重なるためだと考えられています。
被害発生状況

  海の危険生物は、人間を攻撃するために毒を持っているわけではなく、エサをつかまえたり、身を守るために持っています。
生物の習性をよく知り、人間が気をつけて海に入ることで、その被害を少なくすることが出来るでしょう。

 attention  危険生物には、近づかないこと・触らないこと!
  誤って触れてしまった時は、慌てず落ち着いて応急処置を。



  ハブクラゲ
ハブクラゲ  ハブクラゲは、かさが半透明のため水中で見えにくく、刺されてはじめて気付く場合が多い。

5月〜10月にかけて発生し、特に波の静かな砂浜や、入り江、人工ビーチなどで被害が多く、20〜30cmと浅い砂浜でも刺症事故が発生している。
  ハブクラゲの触手には、刺胞と呼ばれる毒の針の入ったカプセルがたくさんあり、刺激を受けると毒針が飛び出すしくみになっている。刺されると激痛を生じ、ミミズ腫れのような跡になるのが特徴。ショックを起こすこともある。
ハブクラゲが大きくなる7月〜9月に被害が多く、沖縄県では死亡事例も報告されている。

 刺されないためには 
肌の露出を避けるため、ウェットスーツ、ラッシュガード、長そでTシャツやスパッツを着用する。
※ 完全に被害を防げるわけではなく、被害を最小限にできます。

 刺されてしまったら 
  1. すぐに海からあがる。
  2. 食酢をたっぷりかけて触手を洗い落とす。
    触手に、真水、アルコールをかけると未発射の刺胞を刺激するので絶対しないこと。
    また、砂をかけて払い落とすことも大変に危険。絶対しないこと。
  3. 食酢をかけても触手が剥がれないときは指先で優しく取り除く。
  4. 痛みがひどいときは、氷または冷水で冷やすと痛みが和らぐ。
  5. 医療機関で治療を受ける。
▲ 呼吸停止・心停止に陥った場合はすぐに心肺蘇生法を開始すること。

● なぜ酢がいいの?
  触手にはたくさんの刺胞があるので、少し体に触れただけでは全部の刺胞は発射されません。ですから、ハブクラゲに刺された所に触手がくっついている時には、絶対にこすったりしてはいけません。こするとそれが刺激となって、残っている未発射の刺胞が発射して傷が広がってしまいます。

酢には、刺胞の発射を止める働きがあります。そのために応急処置に使うのです。
アルコール類では刺胞の発射を止めることはできません。

 残念なことに、酢が役に立つのはハブクラゲだけで、カツオノエボシやウンバチイソギンチャクなどは逆に刺胞を発射させてしまうことがあります。間違えないように!


  アンボイナ
アンボイナ  殻の大きさが10cmほどの大きな巻き貝で、赤茶色の網目模様がある。

体の中に毒銛(歯舌歯)をもっており、潮干狩りで採取した際に刺されることが多い。

刺されても痛みも傷もほとんどないが、神経毒により体がしびれて溺れる危険性がある。これまで多くの死亡例が確認されている。

 被害に遭わないためには 
  1. 綺麗な巻き貝は不用意に採取しない。
  2. 採った貝をズボンや海水パンツのポケットに入れない。

 被害に遭ってしまったら 
  1. すぐに海からあがる。
  2. 助けを呼び、安静にしてすぐに医療機関で治療を受ける
▲ 呼吸停止の場合はすぐに人工呼吸を行うこと。


  カツオノエボシ
カツオノエボシ  青白い浮き袋をもち、そこから青く長い触手が伸びている。浮き袋で風を受けて移動するため、強い風で海水浴場に運ばれ、被害が発生することがある。

刺されると電気が走ったような強い痛みを感じるため「デンキクラゲ」とも呼ばれる。
日本では死亡事例の報告はないが、海外では報告されている。
 刺されないためには 
  1. 肌の露出を避けるため、ウェットスーツ、ラッシュガード、長そでTシャツやスパッツを着用する。
  2. 打ち上げられたカツオノエボシにいたずらをしない。

 刺されてしまったら 
  1. すぐに海からあがる。
  2. 海水をかけて、触手を洗い落とす。
    触手に、真水・アルコール・酢をかけると、未発射の刺胞を刺激するので絶対しないこと。また、砂をかけて払い落とすと、未発射の刺胞が発射してしまうので絶対しないこと。
  3. 海水をかけても触手が剥がれないときは指先で優しく取り除く。
  4. 痛みがひどいときは、氷または冷水で冷やすと痛みが和らぐ。
  5. 医療機関で治療を受ける。
▲ 呼吸停止・心停止に陥った場合はすぐに心肺蘇生法を開始すること。


  ウンバチイソギンチャク
ウンバチイソギンチャク  おわん型で褐色の海藻のような姿をしており、周りのサンゴ礁にとけこんでいるので見分けるのが難しい。
サンゴ礁のリーフ内にも生息しているので、シュノーケリング中に触れて被害に遭うことも多い。

体に刺胞球(1mm〜2mm)があり、強力な毒をもっている。
 被害に遭わないためには 
  1. 岩や海藻に色がよく似ているのでシュノーケリングを行う場合などは周囲に十分注意し、むやみに周囲をさわらない。
  2. 肌の露出を避けるため、ウェットスーツ、ラッシュガード、長そでTシャツやスパッツを着用する。手袋は必須。

 被害に遭ってしまったら 
  1. すぐに海からあがる。
  2. 海水をかけて、刺胞球を洗い落とす。
    触手に、真水・アルコール・酢をかけると未発射の刺胞を刺激するので絶対しないこと。また、砂をかけて払い落とすと未発射の刺胞が発射してしまうので絶対しないこと。
  3. 痛みがひどいときは、氷または冷水で冷やすと痛みが和らぐ。
  4. 医療機関で治療を受ける。
▲ 症状が長引いたり、腎臓が悪くなる場合もあるので必ず医療機関を受診して下さい。


  ヒョウモンダコの仲間
ヒョウモンダコの仲間  浅い海の岩礁や潮だまり、岩の下等に生息している。
体長は10cmほどの小さなタコで、驚いたり刺激を受けると青色の円形の模様が鮮やかに浮かび上がる。

ヒョウモンダコの毒はフグと同じ猛毒のテトロドトキシンであり、足の付け根にある「からすとんび」という嘴で咬むことで毒が注入される。
 咬まれないためには 
  1. きれいなタコを見つけてもさわらない。

 咬まれてしまったら 
  1. すぐに海からあがる。
  2. 安静にし、すぐに医療機関で治療を受ける。
    口で毒を吸い出すのは非常に危険なので、絶対しないこと。
▲ 呼吸困難な場合には、人工呼吸をする。


  オニダルマオコゼ
オニダルマオコゼ  浅いサンゴ礁等にいることが多く、色や形が石や岩によく似ており、じっとして動かないため気づかずに踏みつけてしまうことがある。
背びれに棘があり、棘はゴム底の靴を貫通するほど強力。棘の根本に毒のつまった袋がある。
毒は猛毒で、ハブ毒の30倍以上と言われる。刺されると激しい痛みや痺れがあり、海外では死亡事例も報告されている。
 刺されないためには 
  1. オニダルマオコゼの棘は太く硬く、ゴム底の靴では突き通してしまうので、フェルト底の靴を使用する。
  2. 岩や石に擬態しているので、シュノーケリングをするときは周囲に十分注意する。

 刺されてしまったら 
  1. すぐに海からあがる。
  2. 棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
  3. 傷口を清潔に保つ。
    刺されてすぐであれば、傷口から毒を絞り出すことも有効。
  4. 痛みを和らげるため、患部を40〜45度のお湯につける。
    (やけどしないようお湯の温度に気をつける)
  5. 医療機関で治療を受ける。



  ウミヘビの仲間
ウミヘビの仲間  ウミヘビはコブラの仲間で、強い神経毒をもっており、噛まれると体が麻痺して動けなくなる。

ウミヘビの方から近寄ってくることがあるが、ウミヘビから攻撃してくることはほとんどないので、いたずらしないようにする。
 咬まれないためには 
  1. ウミヘビを見つけても、むやみに手を出さない。

 咬まれてしまったら 
  1. すぐに海からあがる。
  2. 助けを呼び、安静にしてすぐに医療機関で治療を受かる。



  ミノカサゴの仲間
ミノカサゴの仲間  とても美しく、動きはゆっくりで、近づいてもあまり逃げない。
驚くと、背びれをたてて威嚇する。

背びれ、腹びれ、尻びれに毒があり、刺されると大変痛む。
 刺されないためには 
  1. むやみにミノカサゴに触れない。
  2. 釣り上げたミノカサゴを釣針から外すときは、十分注意する。

 刺されてしまったら 
  1. 棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
  2. 傷口を清潔に保つ。
  3. 痛みを和らげるため、患部を40〜45度のお湯につける。
    (やけどしないようお湯の温度に気をつける)
  4. 医療機関で治療を受ける。



  ガンガゼ
ガンガゼ  浅いサンゴ礁や岩場などに生息している。
20〜30cmの鋭く長い棘をもち、皮膚に突き刺さりやすい。

刺さると激痛が続く。
さらに、もろく折れやすい構造になっているため、刺さると除去は難しく、体内に残りやすくなっている。
 刺されないためには 
  1. 棘はゴム手袋も突き通してしまうので、ガンガゼをさわらない。
  2. リーフを歩くときは、底の硬い靴をはく。
  3. サンゴや岩の下などにむやみに手を入れない、十分注意する。

 刺されてしまったら 
  1. 目に見える棘は取り除く。
    棘を取り除く際には、必ずまっすぐに抜く。
    曲げたりゆすったりすると、棘が折れて体内に残ってしまう。
  2. 痛みを和らげるため、患部を40〜45度のお湯につける。
    (やけどしないようお湯の温度に気をつける)
  3. 医療機関で治療を受ける。



  オニヒトデ
オニヒトデ  珊瑚礁に生息し、サンゴを食い荒らすことで有名。全身が棘で覆われている大型のヒトデで、大きさは30〜40cmほど。
色は灰色、オレンジ色、青色などさまざまある。
昼間はテーブルサンゴの下に隠れていることもある。

刺されると猛烈な痛みがあり、数時間、ひどいときは数日続くこともある。
 刺されないためには 
  1. オニヒトデを素手で触らない。
  2. リーフを歩くときは、底の硬い靴をはく。
  3. テーブルサンゴの下や穴の中にむやみに手を入れない。

 刺されてしまったら 
  1. 軽く刺さった棘は取り除く。
    棘を取り除く際には、必ずまっすぐに抜く。
    曲げたりゆすったりすると、棘が折れて体内に残ってしまう。
  2. 痛みを和らげるため、患部を40〜45度のお湯につける。
    (やけどしないようお湯の温度に気をつける)
  3. 医療機関で治療を受ける。



  ラッパウニ
ラッパウニ  直径10cmほどのウニで体表一面に毒をもつラッパのようなトゲ(叉棘)がある。
叉棘が閉じることで刺される(咬まれる)。

岩の上にへばりつくように生息している。
身を隠すために貝殻や海藻などをくっつけてカモフラージュしている場合があり、一見してラッパウニと分からないことも。
  刺されると瞬間的に疼痛や痒み・痺れを感じ、多少腫れることがある程度であるが、人によっては何の症状も出ないこともある。
しかし毒の量が多いときや、毒に弱い体質だと、痺れが麻痺に変わり、動機・息切れなど重症化する。ダイバーが溺れて死亡する事故例もある。

 刺されないためには 
  1. ラッパウニを素手で触らない。
  2. ウェットスーツ、ラッシュガード、長そでTシャツやスパッツを着用する。
  3. リーフを歩くときは、底の硬い靴をはく。
  4. テーブルサンゴの下や穴の中にむやみに手を入れない。

 刺されてしまったら 
  1. 刺された部分に残っている叉棘はできるだけ取り除き、真水で洗い流す。
  2. 毒を不活性化させるため、患部を40〜45度のお湯に30分以上つける。
    (お湯をいれたビニール袋を患部に当てても よい。やけどに注意)
  3. 医療機関で治療を受ける。
▲ 体質によっては重症化する恐れもある。
  何らかの症状が出た場合や、痛みが長引く場合は、自己判断せず必ず病院へ。




  シロガヤ
シロガヤ  クラゲの仲間で刺胞を持つ。
刺胞から刺胞毒を発射し、エサとなる生物を麻痺させて捕らえる。

刺されるとチクっとした痛みが生じ、疼痛や痒みに変わる。
毒性が強く皮膚が炎症を起こす場合がある。
 刺されないためには 
  1. 直接素手でシロガヤにさわらない。
  2. グローブ、ウェットスーツ、ラッシュガード、長そでTシャツやスパッツを着用する。

 被害に遭ってしまったら 
  1. 棘が残っていれば、素手で触れないようグローブなどをはめて、棘を慎重に取り除く。
  2. 海水でよく洗う。
  3. 真水、消毒用アルコールで洗う。(2と順番を絶対に間違えないように!)
  4. 傷口を清潔に保つ。
  5. 医療機関で治療を受ける。



  ゴンズイ
ゴンズイ  浅い岩礁や砂地の浅い海に生息し、集団で行動する習性がある。
「ゴンズイ球」と呼ばれる集団は、だんご状になって移動する。

背びれと胸びれに毒棘がある。
釣れたゴンズイを釣針から外す時に被害に遭うことが多く、刺されると数日間激痛が続くこともある。
 刺されないためには 
  1. 直接素手でゴンズイにさわらない。
  2. 釣り上げたゴンズイを釣針から外すときは、十分注意する。

 被害に遭ってしまったら 
  1. 棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
  2. 傷口を清潔に保つ。
  3. 痛みを和らげるため、患部を40〜45度のお湯につける。
    (やけどしないようお湯の温度に気をつける)
  4. 医療機関で治療を受ける。




  アナフィラキシーについて
  海の危険生物による刺咬(しこう)症により、まれにアナフィラキシーを発症する場合があります。いわゆるショック症状(過呼吸・痙攣・嘔吐など)です。
島内で発症した場合は、速やかに病院へ行くようにしてください。

沖縄県立那覇病院附属渡嘉敷診療所
(098-987-2028 / 字渡嘉敷277番地)

保健医療部衛生薬務課